TO-RO [ 燈籠 ]

私が絵を描きたいという衝動を抱く要素として、不条理以外にもう一つ「こんなものを描いてどうなるんだ」と思うような対象に注目してしまった時、というのがある。タイで日本との共通項を探すうち、灯篭のオブジェが気になり始めた。これはアラビアの鋳造の釣り燈籠から伝わってきた文化の一つであるが、タイでも流し燈籠や釣り灯籠のようなものがあり、それはよく花や葉で作られている。
日本では石燈籠が多く、より絵になりづらいものを描いてみたいということで組み合わせて描くようになった。特にそれまで自分が灯篭の存在を認識しながらも興味を持ってこなかったことが、回り回って魅力的なものに思えたのだろう。また、これが今の作庭のテーマに繋がっていくきっかけとなった。
清水五条 ”匂い立つ”
2013 / 194 x112 / oil on canvas
