「帰家穏坐」

第152回明倫茶会・光冠茶会

「帰家穏坐」

Tea Ceremony “KI-KA-O-N=za”

2021年2月23日

23th Feb, 2021

Kyoto Art Center

[ 実際に参加される方へ送った手紙 ]

お茶会にご参加いただきます皆様へ

この度は明倫茶会「帰家穏坐」にご参加いただきましてありがとうございます。

今回のお茶会に合わせて開催する展示「作庭ひらく」は室内に庭空間を作り出すという2010年頃から始めた私の「作庭」のコンセプトの延長線上にありますが、それを「ひらく」としたのはここで作る空間が世界中のどこまでも繋がるという意味を込めています。

私個人のことですが、この1、2年の間に今生きているこの次元以外の異次元と繋がっていることを感じられるような出来事に遭遇しました。それと同時期にコロナという災いを通して全世界で人と人とが物理的に会わなくても繋がり合える環境へと一気に移行したことも偶然ではないと考えています。
そんな中、オンラインでお茶会をひらくということは私にとってもお点前を引き受けてくださった植彦さんにとっても非常に前向きな、そして興味深い試みであり、これからの時代の繋がり方を体感できる機会であると思っております。

私は長くタイでも制作をしてきました。そこでは人々はお寺で仏像や仏舎利に小さな金箔を貼ってお参りします。少々恐れ多いのですが、その手法を借りて、金箔を一片ずつ同封しますので、可能でしたら展覧会期間中(2月13日ー27日)に会場へその金箔を持ってきていただいて、床の間に展示している大きな紙の作品に貼っていただきたいと思っています。

それは今回のオンライン上での時間の共有とは別の形で、同じ会場で時間をずらして一つの場所に思いを寄せることでできる繋がりを生み出します。私はそうした意思や思いをはせて生まれるコミュニケーションに未来を感じています。

床の間は異次元に繋がる扉であると考えています。そこに掛けた絵には祈りの意味を込めて花を重ねた花環を描きました。皆さんの思いを花環の扉を通して届けていただけましたら幸いです。

会場で係の方に一言お声がけください。お茶会の最後にも実際の貼り方を説明させていただきますので、よろしくお願い致します。

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